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一夜妻 (19)

<前ページより>

快楽に溺れた視界が少しずつ歪みを取り戻した時、吐精を終えた茎の先には、白濁の液に包まれた貴子さんの顔がありました。
貴婦人の額から首筋にかけて、私が彼女を独り占めした証が幾本もの線を描きながら、顔を白く淫らに染めていたのです。

由香里はどんな想いで私の姿を見つめていたか…
そして、私が他人の妻を欲望のままに汚す光景をどう受け入れたのか…



私の行為の全ては、他人が由香里に対して果たして欲しい陵辱そのものでもあったのです。

そして、それは傍らの沢田さんにとっても同じ筈です。

沢田さんは、愛する美しい妻の顔が他人の精液で汚される光景を、交わりの姿を見つめる想いとは別の、倒錯した嫉妬が入り混じった感情で受け止めている筈です。


彼は枕元のティッシュを取ると、貴子さんの傍らに寄り添い、耳元で何かを囁きながら、ゆっくりと私の痕跡を拭き取りました。

彼女は閉じていた目を薄く開け、夫である沢田さんと目線を交わしたのです。
私は由香里を側に抱き寄せ、二人の姿を見つめました。

お互いが信頼し合うからこそ、夫婦を交換することでしか得られない悦びを共有しあえるのかも知れません。
それは沢田さん夫婦にとってだけではなく、私達夫婦にしても同じことなのです。

私は由香里の胸に手を添え、乳房から垂れ落ちる他人の液を指で塗り広げました。
微かに漂う精の香の中で、生暖かいぬめりと粘りが、乳房の肌と指先の間に広がります。



先ほどまで私の目の前で妻と沢田さんが交わっていた姿が、満ち足りた至福の中で蘇ります。

自分の妻と一夜の妻…

私にとっては、一夜の出来事の中であったとしても、ともに愛おしい大切な存在でした。
暫くの静かな時が経った後、私は貴子さんの手を取り、部屋を出ました。二組の夫婦は別々の空間に分かれ、夜の限りが互いを切り離すまで愛欲の時を過ごしたのです。

一夜の限りがあるからこそ他人の妻を愛し、また、他人の夫に全てを委ねることが出来るのかも知れません。

<この章 終わり>

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人妻への恋 (1)

私が初めて他人の妻に心から惹かれたのは22才の時でした。
その女性が人妻だからではありません。好きになった相手が人妻だったのです。

今から10年程前、私が大学を卒業し、会社に新入社員として就職して間もない頃でした。

当時、私は学生時代に交際していた彼女と別れて一年以上が経っていました。女性との性的な関係は途絶え、行き場の無い欲望を自らの手で処理するしかない毎日だったのです。

そんなある日、会社の昼休みにオフィスの自分の席で雑誌を読んでいた時、一人の女性が私に声をかけたのです。

振り返ると、清楚で品のある装いの美しい女性が立っていたのです。女性社員用の制服ではないことから、会社の人ではないことはすぐに判りました。

年齢は30歳頃、長身で、ストレートの黒髪が綺麗な人でした。



「お休み中すみません。S生命保険の水沢と申します。今度、入社された川島さんですね?」
「えっ… あ、はい、そうです」

私は緊張したまま立ち上がりました。

「S生命保険でこちらの会社を担当させて頂いています。今日はご挨拶だけでも」

そう言いながら、彼女は私に名刺を手渡しました。

水沢真奈美さんか…

私は名刺を両手にとり、彼女の顔をそれとなく見つめたのです。

肩にかかるストレートの黒髪が、彼女が会釈をする度に柔らかに揺れ動きます。

綺麗な人だな…
結婚しているのかな…



それが私と真奈美さんとの初めての出会いでした。
彼女にしてみれば、私は4月の新卒社員へ生命保険を勧誘するためターゲットの一人…
契約を獲得するための最初のステップである「挨拶」のために、私を訪ねて来たのです。

私は彼女をオフィスのドアまで見送ってから、名刺を机の引き出しにしまい込んだのです。

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人妻への恋 (2)

4月はどの生命保険会社にとっても、新卒社員の新規契約を取るための大切な時期です。
その後、水沢さん以外の生命保険の女性外交員も、頻繁に私の席を訪ねてきました。

大学を卒業したばかりの私にとって、限られた収入の中から生命保険の支払いをすることは用意ではありませんでした。

生命保険を契約するのは来年でもいいかな…
今はまだ、支出を抑えなきゃ…

何人かの外交員の方のプランニングの説明を聞きながら、心の中では早くこの場から解き放たれることを願っていたのです。

水沢さんからなら、説明だけでも聞きたいな…
契約はまだしないけど、あの人の説明なら…



そんなある日、会社の先輩が私に声をかけてきました。

「川島、どこの生命保険に入るか決めたか?」
「いえ、まだです」
「だったら今夜、時間あるか? S生命社主催のパーティーがあるんだ。ま、保険勧誘のためのコネクションが目的なんだろうけど、暇なら一緒に行かないか?」
「でも… 私はまだ契約する気は無いんです」
「いいんだよ、契約なんかしなくても。会費は全部あちら持ちのPRイベントなんだ。うちの社からも何人か行くから、一緒にどうだ」
「あ… それなら行きます」
「もちろん、水沢さんも来るはずだから」

彼女は会社に出入りしている生命保険の外交員の中でも、男性社員の関心を引いていました。

私は内心、彼女と会えることを楽しみにしていたのです。
会場で私を見つけた水沢さんが、私が来たことに驚き喜ぶ姿を勝手に想像し、心のどこかで淡い期待を抱いていたのかもしれません。



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人妻への恋 (3)

会社の仕事が終わってすぐ、私は他の先輩社員と一緒に、パーティー会場のホテルに向かいました。

大きなホールを借り切ってのパーティーは規模の大きいもので、多数の客が招待されていました。
私は受付を済ませたものの、勝手が分からず、先輩達の後ろに付いて歩いたのです。

真奈美さんは何処にいるのかな…

私は時々、所在なげに周りを見渡しました。



「川島さんも来てくださったんですね」

横から私を呼ぶ声に振り向くと、2つのグラスを手に持った真奈美さんだったのです。

艶やかな黒髪と、彼女が身に付けたスーツから漂う知的な雰囲気は、22才の私にとっては眩しい程に大人の女性を感じさせるものでした。

私は密かに彼女に対して、淡い心をときめかせたのです。

すぐに他の先輩社員達が真奈美さんを取り囲みました。

私はもっと彼女と話がしたかったのですが、先輩達と真奈美さんの会話の輪に新入社員の私が横から入る訳にもいかず、少しの距離を置いて彼女を見つめていました。

整った顔立ちと柔らかな唇…
張りのあるラインの胸…
スカートを纏う美しい脚の線…



私の中に押し込んでいた性の欲望が、彼女をその対象として次第に込み上げて来たのです。
一年半近くも女性との性的な交わりの無かった私にとって、彼女の凛とした美しい立ち振る舞いが、抑圧された若い願望を掻き立てたのです。

男だったら誰だって彼女の体を…
あの衣服下に隠された彼女の肌で想いを遂げられたら…

私は若い性の願望を視線の先の真奈美さんに向けながら、彼女から手渡されたグラスに口を付けたのです。

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人妻への恋 (4)

真奈美さんは忙しそうに大勢の客の中を歩き回りながら、顔見知りの人や紹介された人への挨拶しています。

私はテーブルに並べられた料理を食べながら、周りの人達を眺めていました。

生命保険のセールスのために、こんなに盛大なパーティーをするんだ…

それまで過ごした学生生活の中とは違う世界… 大人の世界を感じたのです。

「今日はお越しくださってありがとうございます」

40才位の女性が、退屈そうにしている私に声をかけました。
名刺を交換し挨拶すると、彼女は私の会社名に目を留めました。



「たしか担当は水沢ですよね。私も水沢と同じ支社なんです。今、呼んできますね」

「あ…、いえ… お忙しそうなんで結構ですから…」

「ちょっと待ってて下さいね」
私が止めるのも聞かず、彼女は人混みの中に彼女を探しに行きました。

今思えばこのパーティー自体、生命保険会社が「加入候補者」とのコネクションを作ることが目的なのです。この場にいる外交員…セールスレディはホステスなどではありません。

一人でも多くの契約を取るために、顔見知り以上の印象付けをしなくてはならないのです。
まして、私のような新卒社員は、まだ何処の保険会社とも契約していない絶好のターゲットなのです。

「料理、食べてくれてますか」
暫くして真奈美さんが私の所に再び来てくれました。

「大勢の人が来ているから大変ですよね。私のことは気にしないでいいですよ。さっきの人にもそう言ったのに…」

私は真奈美さんが来てくれた嬉しさを、別の言葉で隠しました。



「何人くらい来るか心配してたんですよ。予定通りで安心しました」

彼女は笑みを浮かべて周りを見渡します。

「川島さんは、どちらに住んでいるんですか?」

「中央線の中野です。水沢さんは?」
「梅ヶ丘なんです、小田急線の。川島さんと同じ新宿経由ですね。」

せっかく彼女が会話を繋げる接点を見つけてくれたのに、私は満足な受け答えも出来ずに、当たり障りのない返事をしてしまったのです。

ほんの僅かな時間で、真奈美さんはまた、他の人に呼ばれて行きました。
結局、その日はそれ以上、彼女と話をする事は出来ませんでした。
楽しみにしたパーティーも、私にとってはその後の時間が長く感じられる退屈なものだったのです。

彼女に何を期待してたんだろ…
真奈美さんにとっては仕事の延長なのに…

その夜はパーティーが終わった後、先輩の社員数人と二次会に行き、深夜を過ぎる頃の時間に自分のワンルームマンションの部屋に帰ったのです。

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人妻への恋 (5)

パーティーから二次会へと、私としてはそれ程飲んだわけではありませんでした。それなのに、真奈美さんの件が心の高ぶりを掻き立てるのか、その夜はなかなか寝付かれなかったのです。

ベットの中で、今夜の真奈美さんの姿を幾度も想い浮かべました。

凛とした美しい姿…
年上の女性らしい知的な立ち振る舞い…

20代だった私にとっては、それまで接していた同年代の女性にはない眩しさと優美さを感じていたのです。
ましてや、恋人と別れてから、1年以上も若い欲望の満たしを味わっていない私にとって、真奈美さんとの出逢いは心をときめかせる出来事だったのです。



灯りの消えた部屋の中で、私は今夜目にした彼女の姿を想い浮かべながら、虚しい自慰に浸りました。
真奈美さんの、誰に対しても愛想が良く品のある接客姿が、私の理不尽な苛立ちを掻き立てます。
その鬱積した感情を、淫らで艶めかしい真奈美さんを妄想しながら、硬直し反り返る肉茎を自身の手で慰めることで鎮めようとしたのです。

真奈美さんは結婚してるって誰かが言ってたっけ…
今頃、彼女は旦那さんと…

私は行き場の無い欲望を、溢れ出る白い精を真奈美さんに注ぐ光景を想い描くことで満たそうとしました。後ろめたい自慰に溺れ、束の間の射精がもたらす快楽を彼女の姿に重ねながら…

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人妻への恋 (6)

数日後、会社の昼休みに真奈美さんがオフィスを訪れました。
彼女は2~3日に一度の割合で営業の訪問に来ているので、そろそろ会える頃だと思っていたのです。

「この前はパーティーに来て下さって、ありがとうございました。あまりお話し出来なくてごめんなさいね」

「あ… いえ、お忙しかったみたいですから気にしないで下さい」

私は気持ちとは裏腹の言葉で返事をしました。彼女を自慰の対象としていることに、後ろめたい気持ちがあったことも理由の一つです。

「お昼休みに申し訳ありません。お時間を頂けましたら、このシートにお名前と生年月日、病歴や見込みの年収を記入して下さいますか? 保険のプランを見積もらせて頂きたいのですが」



やっぱりそうだよな…
俺に近づいてくるのは、保険の勧誘が目的なんだよな…

「はい…、いいですよ」

私は手渡されたシートの項目に記入して、真奈美さんに返しました。

「早速、これで幾つかプランを出しますから。コンピューターで処理しますので、明日には御説明出来ます」

彼女にとっての契約候補者でいる限り、この後も何度か会えるかな…
断るのはもっと後でもいいや…
私はそのことに少なからず嬉しさを感じていたのです。

真奈美さんをエレベーターの前まで見送り、私は午後のオフィスへ戻りました。

いつの間にか私は、漠然とした淡い期待を彼女に寄せていたのかも知れません。彼女にとって私が契約の候補者で居続ければ、少なくとも他の社員よりは特別な存在でいれる… そんな想いだったのでしょう。



真奈美さんから会社に電話があったのは、その日の夕方頃でした。

「さっき、コンピュータで見積もったプランが届いたんです。無理に頼んで急いでもらったんですよ」

真奈美さんは嬉しそうな声で話を続けます。

「急で申し訳ありませんが、会社が終わってから時間を頂けませんか? 場所は川島さんが指定して下さって構いませんから」

「え? 今夜ですか」

「御予定があるなら仕方ありませんが… もし、御都合がよろしければ」

私には迷う余地などありませんでした。彼女の方から二人だけで逢う機会を与えてくれたのです。

「はい… 大丈夫です。場所は何処でもいいですよ」

突然の誘いに対して、何も心の準備が出来ていない私には、型どおりの返事をするのが精一杯だったのです。

「じゃあ… 新宿にしましょうか? 川島さんは中野にお住まいだから、遠回りにならないし」

私は、彼女が指定した待ち合わせ場所と時間を慌ててメモし、間違いのないことを確かめてから電話を切りました。



生命保険の外交員が、保険契約のセールスのため客と会う… ただそれだけのことなのに、まるで年上の女性とデートでもするかのような気持ちでした。

今夜、真奈美さんが私と会う目的を判っていても、彼女に対する密かな好意と妄想が、それを認めることを拒んだのです。

私は高校生の頃から30代の女性に、強い憧れとともに性的な対象としての関心を抱いていました。近所の若い人妻や駅で見かけるOLの姿に対し、叶わぬ夢想に浸りながら幾度も自慰の対象としていたのです。

若く身勝手な欲望を優しく許し、その全てを受け入れてくれる… 年上の女性に対する私の想いは、性的理想の具現化に似た願望が入り混じったものだったのかも知れません。

私は急いで仕事を片付け、チャイムが鳴ると同時に会社を出て駅に向かったのです。

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Author:川島ゆきひと
東京都内に住む30代の会社員です。

数年前に、ある方と知りあったことをきっかけに、寝取られと夫婦交換の世界を体験しました。

それ以来、愛する妻が他人に抱かれ、相手の望みを受け入れる姿の虜になってしまったのです。

そんな私の想いを、エッセィとしてこのブログに書き綴ります。

私の詳しいプロフィールについては、こちらをどうぞ







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